ストレスの正体とは?~こころと身体を守るための処方箋~

皆さん、こんにちは。公認心理師、阿賀嶺壮志です。日々の生活の中で、私たちは様々な「ストレス」を感じることがありますよね。「なんだか最近イライラする」「肩や首が凝りっぱなし…」そんな経験、誰しも覚えがあるのではないでしょうか。

今日は、この「ストレス」の正体について、そしてどうすればその重荷から少しでも解放されるのか、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。私自身の経験も交えながら、少しでも皆さんの心が軽くなるようなお話ができればと思っています。

ストレスは「敵」?

まず、ストレスと聞くと、なんだか悪いもの、避けるべきものというイメージが強いかもしれません。もちろん、過度なストレスは心身に悪影響を及ぼします。それは事実です。しかし、ストレスはもともと、私たちが危険を察知し、それに対応するための自然な反応なのです。

例えば、目の前に猛獣が現れた時、心臓がドキドキしたり、呼吸が速くなったりしますよね?これは、体が「戦うか、逃げるか」の準備をしているサイン。ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールやエピネフリンなどが分泌され、血圧が上がり、筋肉が緊張し、感覚が研ぎ澄まされます。これは、私たちが生き延びるために必要な機能なのです。

私自身も、初めて人前で講演する前は、心臓が飛び出るくらいドキドキしましたし、手のひらに汗が滲みました。これはまさにストレス反応だったと思いますが、その緊張感があったからこそ、集中して準備に取り組むことができ、なんとか無事に終えることができたのだと思います。

ストレスの原因は一つじゃない

では、どんな時に私たちはストレスを感じるのでしょうか?仕事や人間関係、経済的なプレッシャーなど、現実の、あるいはそう感じられる挑戦や脅威となりうるあらゆるものがストレスの原因になり得ます。騒音や攻撃的な行動、運転中のハッとする場面、初めてのデートまで、様々な環境要因がストレスを引き起こす可能性があるのです。

興味深いのは、ポジティブな出来事でさえストレスになり得るということ。例えば、出産、昇進、引っ越しなども、大きな変化は心身に負担をかけることがあります。私自身、新しい事業を立ち上げた時は、期待とともに大きなプレッシャーを感じ、それがストレスにつながった経験があります。

また、アメリカ心理学会の2024年の調査では、政治や経済が一般的なストレスの原因として挙げられています。現代社会は、情報過多で変化も激しく、そうした社会情勢も私たちの心に影響を与えているのかもしれません。

二つの顔を持つストレス:急性ストレスと慢性ストレス

ストレスには、大きく分けて急性ストレス慢性ストレスの2種類があると言われています。

急性ストレスは、一時的なもので、通常は比較的よくあるストレスです。例えば、仕事の締め切り直前や、友人とのちょっとした言い争いなどがこれにあたります。これらのストレスは、問題が解決したり、期限を過ぎたりすれば、自然と軽減、あるいは消滅することがほとんどです。

一方、慢性ストレスは、長期間にわたって続く、より深刻なストレスです。貧困、機能不全の家族関係、不満の多い結婚生活などがその例として挙げられています。慢性ストレスは、解決策が見えない状況が続くことで生じやすく、心身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

慢性的なストレス状態が続くと、心臓血管系、呼吸器系、睡眠、免疫、生殖器系の機能に問題が生じたり、2型糖尿病、高血圧、心臓病のリスクが高まったりすることも。さらに、うつ病や不安症、PTSDなどの精神疾患を引き起こす可能性も指摘されています。慢性ストレスは、本人が気づかないうちに進行し、まるで自分の性格の一部のように感じてしまうこともあるため、注意が必要です。

ストレスが体に及ぼすサイン

ストレスは、私たちの心と体に様々なサインを送ります。

身体的なサインとしては、

  • 発汗
  • 背中や胸の痛み
  • けいれんや筋肉の痙攣
  • めまい
  • 頭痛
  • 神経質なチック
  • 手足の痺れ

などが挙げられます。

感情的な反応としては、

  • 怒り
  • 燃え尽き症候群
  • 集中力の低下
  • 疲労感
  • 不安感
  • 物忘れ
  • イライラ
  • 爪を噛む
  • 落ち着きのなさ
  • 悲しみ

などがあります。

また、ストレスは私たちの行動にも影響を与えます。

  • 過食や拒食
  • 突然の怒りの爆発
  • 薬物やアルコールの乱用
  • 喫煙量の増加
  • 社会的な引きこもり
  • 頻繁な落涙
  • 人間関係の問題

といった行動が見られることがあります。

もし、これらのサインに気づいたら、「もしかしたら、これはストレスのせいかもしれない」と立ち止まって考えてみることが大切です。

ストレスを軽減するためにできること

では、私たちがストレスを感じた時、どのように対処すれば良いのでしょうか?様々なストレス管理の方法があります。

  • 運動: 動物実験ではありますが、運動がストレスによる記憶障害を軽減する可能性が示唆されています。適度な運動は、心身のリフレッシュになり、ストレス解消にもつながります。私も、行き詰まった時は、あえて散歩に出かけたり、軽い運動をしたりするようにしています。
  • アルコール、薬物、カフェインの摂取を控える: これらは一時的に気分を高めるかもしれませんが、根本的なストレスの解決にはならず、むしろ悪化させる可能性があります。
  • 栄養バランスの取れた食事: 健康的な食事は、ストレスに負けない体を作る基本です。野菜や果物を積極的に摂るように心がけましょう。
  • 優先順位をつける: 一日のタスクを整理し、重要なものから取り組むことで、焦りやプレッシャーを軽減できます。達成感を得ることも大切です。
  • 時間を作る: 意識的に自分のための時間を作り、リラックスしたり、趣味に没頭したりすることが大切です。
  • 呼吸法とリラクゼーション: 瞑想、マッサージ、ヨガなどは、心拍数を落ち着かせ、リラックス効果を高めます。深呼吸も効果的なテクニックの一つです。
  • 誰かに話す: 家族や友人、信頼できる同僚に気持ちや悩みを打ち明けることで、気分が楽になることがあります。時には、思いがけない解決策が見つかることもあるでしょう。私も、信頼できる同僚や友人に話を聞いてもらうことで、何度も救われた経験があります。
  • ストレスのサインに気づく: 自分の心と体の変化に敏感になることが、早めの対処につながります。

さらに、社会的なサポートネットワークを築くことも重要です。地域のコミュニティに参加したり、趣味のサークルに入ったりするのも良いでしょう。困った時に頼れる人がいるということは、大きな心の支えになります。

もし、自分自身でストレスを管理することが難しいと感じたら、遠慮なく専門家の助けを求めてください。ストレスマネジメントのトレーニングや、個別のカウンセリング、グループセラピーなどが有効な場合もあります。

ストレスとの上手な付き合い方

ストレスは、私たちの生活から完全に消し去ることは難しいかもしれません。大切なのは、ストレスを「敵」と捉えるのではなく、自分の心と体の声に耳を傾け、上手に付き合っていく方法を身につけることだと思います。

私自身も、様々なストレスを経験してきました。その中で学んだことは、「完璧」を目指しすぎないこと、そして、辛い時には誰かに頼ることの大切さです。

皆さんも、今日お話した内容を参考に、ご自身のストレスと向き合い、心身ともに健やかな毎日を送ってくださいね。

もし、何か不安なことや困ったことがあれば、いつでも私たちプラスワンライフにご相談ください。皆さんが笑顔で過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


一般社団法人プラスワンライフ
ストレスチェック・職場改善支援・メンタルヘルスサポート
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