2028年までに必須化!50人未満事業場のストレスチェック最前線

今回は、多くの人事担当者・衛生管理者の方が関心を寄せている話題、「50人未満の事業場におけるストレスチェック制度の義務化」について、現状と今後の見通し、そして備えるべきポイントをわかりやすくお届けします。

■ なぜ今、50人未満の事業場にも注目が集まっているのか👥

現在、ストレスチェック制度は常時50人以上の労働者を雇用する事業場に義務付けられています(労働安全衛生法第66条の10)。2015年の施行以来、多くの企業が制度に対応し、職場のメンタルヘルス対策が進展してきました。

しかし、厚生労働省はここ数年、「50人未満の事業場にも制度を拡大する方向性」を公表しており、2024年には労働政策審議会で本格的な検討が始まりました。最終的には、2028年度までに段階的な義務化が見込まれています(※1)。

📌50名未満でストレスチェックが義務化される理由

  1. 精神障害による労災が過去最多に増加しているため
    └近年、精神障害による労災認定件数が急増しており、2023年度には過去最多の883件となっています。これは、職場におけるメンタルヘルス不調が深刻な社会問題となっていることを示しています。従業員のストレスや不調を早期に発見し、適切な対応や支援につなげることが求められています。
  2. 小規模事業場の不調者の早期発見・離職防止と職場改善
    └日本の全事業場の約96%が従業員50人未満の小規模事業場で、そこで働く人は全労働者の半数以上を占めますが、十分なケアが行き届いていない現状があります。この大多数の労働者をカバーすることで、不調の予防、離職防止や生産性向上、職場環境の改善を強化していきます。
  3. プライバシー保護体制の充実による実現性向上
    └以前は小規模事業場でのプライバシー確保が課題でしたが、外部機関のサポート体制が整い、第三者によるストレスチェック実施が可能となっています。ストレスチェックの目的は、従業員自身がストレスに気づき、セルフケアや早期対応につなげることです。
  4. 社会的コストの削減と企業価値の向上
    └メンタルヘルス不調による労災や離職は、社会全体の経済的損失につながります。ストレスチェックの義務化は、こうした社会的コストの削減や、「社員を大切にする会社」としての企業ブランディングにも寄与します。

✅ これは、中小規模の職場でもメンタルヘルス問題が深刻化しているという実態が背景にあります。特に、少人数の職場では人間関係の密度が高く、ストレスを抱えやすい傾向にあります。政府は「全ての働く人のこころの健康を守る」ことを目的に、義務化の対象拡大を決定しました。


■ 50人未満の事業場に義務化されると、何が変わるのか?💡

50人未満の事業場では、これまでストレスチェック制度は「努力義務」でした。しかし義務化が進むと、以下の対応が必要となります。

  • 年1回以上のストレスチェックの実施
  • 実施者(医師・保健師・公認心理師など)によるチェック体制の整備
  • 高ストレス者への面接指導の提供体制
  • 集団分析(部署単位など)による職場環境の改善

⚠️実施しないとどうなる?ストレスチェック未実施による“見えない損失”とは

  1. 義務違反による罰則の可能性
    └現行法では、常時50人以上の事業場でストレスチェックを実施しない場合、労働安全衛生法に基づく報告義務違反として50万円以下の罰金(労働安全衛生法第120条)、加えて、労働基準監督署からの是正勧告・指導の対象にもなります。義務化が50人未満の事業場にも拡大すれば、当然この枠組みに組み込まれることになります。
  2. 職場の「隠れたリスク」が見えない~労災やメンタル休職による損失拡大~
    └高ストレス者の早期発見の機会を失い、労災や離職に発展する可能性もあります。また、未然の対策ができないことによる損失(長期休職・退職に至ると数百万円以上のコスト)に発展するケースもあります。
  3. 従業員からの信頼・満足度低下、人材定着や採用面での不利
    └「うちの会社はメンタルケアに関心がない」と受け止められることで、職場へのエンゲージメントが低下。さらに、若手層を中心に「メンタルヘルスに取り組む会社=安心して働ける会社」という意識が高まっており、採用ブランディングにも大きく影響します。

📈実施は「コスト」ではなく「投資」

ストレスチェックを「手間のかかる義務」と捉えるのではなく、
職場のリスクを見える化し、改善できるチャンスとして活かすことが、企業の健全な成長につながります。

実施しないと…実施することで…
⚠️ 法違反による罰則・指導リスク✅ 法令順守で企業リスクを最小化
⚠️ メンタル不調の見落とし✅ 高ストレス者を早期発見・支援
⚠️ 組織の不満・離職の温床✅ 職場環境の改善に活用できるデータが得られる
⚠️ 採用・定着に悪影響✅ 「安心して働ける会社」のイメージアップ

■ 先進事例から学ぶ、小規模事業場でのストレスチェック導入ポイント🔑

一般社団法人プラスワンライフでは、これまで50人未満の企業を含む多数の事業所に対し、ストレスチェックの支援を行ってきました。
その中から見えてきた、成功のポイントを3つご紹介します。

① 経営層の理解と関与

経営者がメンタルヘルスの重要性を理解し、現場と同じ目線で取り組むことで、職場全体の風土が変わります。ストレスチェック制度は、単にアンケートを実施するだけでは完結しない仕組みです。特に義務化されると、「制度として社内にきちんと根付かせる」ことが法的にも運営上も求められます。

② ITを活用した省力運用

オンラインで完結するストレスチェックツールを使うことで、担当者の業務負担を最小限に抑えることができます。特にクラウド型サービスは中小企業にも導入しやすくなっています。プラスワンライフのストレスチェックではWebと紙の混在実施も可能です。「少しずつWebに移行していきたい」というお声も多数寄せられています。

③ メンタルヘルスの「点」から「線」への支援

ストレスチェックを単なる義務として終わらせず、定期的な面談や職場改善のアクションへとつなげることが、真の効果を生みます。その中で重要な役割を担うのが、人事担当者と衛生管理者(または産業保健スタッフ)です。

人事・衛生管理者の役割内容
🧩 実施体制の整備実施者・面談対応・データ管理などの基本設計
🗃 社内運用ルールづくり実施方法、情報管理、従業員との信頼関係構築
👂 現場での対応力よくある質問・判断への準備と柔軟な対応

プラスワンライフでは、こうした実施体制の整備やルール作りのサポートも行っております。
テンプレートの提供から、実施体制づくりの伴走支援まで可能ですので、お気軽にご相談ください。


■ ストレスチェック義務化に向けて、今できること📝

50人未満の事業場であっても、今から準備を始めることで、スムーズに制度を導入できます。
まずは以下の3つのステップをおすすめします。

  1. 現状の課題の洗い出し
    └ メンタル不調の発生状況や、既存の相談体制を確認しましょう。
  2. 制度導入に向けた社内説明・合意形成
    └ ストレスチェックの目的やメリットを、管理職や現場に丁寧に伝えることが重要です。
  3. 外部支援機関の活用
    └ 自社内だけで完結させず、信頼できる専門機関に委託することで、安心・安全な制度運用が高まります。

👨‍⚕️プラスワンライフは「義務対応+組織改善」をセットで支援

私たち一般社団法人プラスワンライフでは、ストレスチェック制度の設計・運用支援、メンタルヘルス研修、専門家による面接指導対応など、50人未満の企業に向けた実効性のあるパッケージ支援を行っています。私たち一般社団法人プラスワンライフでは、義務化対応だけでなく、職場環境の継続的改善までを見据えたサポートをご提供しています。

✅ 法対応を“シンプルに”わかりやすく設計
✅ 高ストレス者支援の心理専門職との連携
✅ 集団分析から管理職研修への橋渡しも可能

✔ 自社にあった導入スケジュールが知りたい
✔ オンラインで簡便に導入したい
✔ 専門家の面接指導まで任せたい

といったご相談にも、公認心理師・産業保健専門家が丁寧に対応いたします。

一般社団法人プラスワンライフ
ストレスチェック・職場改善支援・メンタルヘルスサポート
本社:沖縄県浦添市牧港4丁目10番1-1102
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※1:出典:厚生労働省「ストレスチェック制度の今後のあり方について(2024年労働政策審議会資料)」

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