~ビジネスとケアの両輪で、持続可能な成長を~ 👨👩👧👦
近年、企業の人事担当者や衛生管理者の皆さまから、ある共通の課題が多く寄せられています。
それは――「社員の“家庭内ケア負担”が仕事に影響している」という現実です。
介護や育児、障がいを持つ家族のサポートなど、働きながら家族を支える「ビジネスケアラー」が急増しています。これは今後ますます企業活動に深い影響を与えていく重要なテーマです。
🏢 ビジネスケアラーは、もはや“例外”ではない
経済産業省は「仕事をしながら家族等の介護に従事する者」と定義しており、特に40代以降の働き盛り世代や管理職層で増加傾向にあります
厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の約7人に1人が要介護状態にあり、40〜50代の働き盛り世代が介護を担うケースが増加しています。
また、子育てや障がい児支援といった“見えにくいケア”をしている社員も少なくありません。
📊現状と統計データ
- 2020年時点で、日本国内の家族介護者は約678万人、そのうちビジネスケアラーは約262万人(約4割)とされています。
- 2030年には家族を介護する人が約833万人に増加し、ビジネスケアラーはそのうち約318万人に達すると予測されています。
- 労働力人口に占める割合では、2030年には21人に1人がビジネスケアラーになる見込みです。
▶ ケア負担を抱える社員の割合は、企業全体の15〜20%に達するとも言われています(※東京都「仕事と介護の両立支援ハンドブック」より)。
👥「ケア疲れ」はパフォーマンスの低下を招く
ケアを担う社員は、時間的・精神的な余裕を失いがちです。
- 出社や勤務時間の調整が必要
- 睡眠不足や慢性的なストレス
- 突発的な呼び出し・介護離職のリスク
✅ビジネスケアラーが直面する課題
- 仕事と介護の両立による身体的・精神的負担の増加
- 労働生産性の低下や仕事への意欲減退
- 介護離職の増加(毎年約10万人が介護を理由に離職)
- 相談できずに孤立するケースも多い
こうした負の連鎖は、本人だけでなくチームや組織全体に大きな影響を及ぼします。結果として、業務集中力の低下、メンタル不調、さらには休職・退職につながるケースもあります。介護離職や生産性低下による経済損失は、2030年時点で約9兆円に上ると推計されています。
💼 ケアとキャリアを両立できる職場づくりを
経済産業省は「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を策定し、企業に対してビジネスケアラー支援の必要性を強調しています。私たち一般社団法人プラスワンライフは、こうした時代の変化に対応したメンタルヘルス支援・職場環境整備を提案しています。
📌 企業が取り組める5つの具体策
- ケアラー実態の「見える化」
→ 社内アンケートや個別面談でケア負担を把握。匿名アンケートやヒアリングを通じて、職場にどれだけビジネスケアラーがいるか、どんな課題を抱えているかを把握し、その情報を上司や同僚と共有します。 - 柔軟な勤務制度の整備
→ ジョブシェアやチーム制、短時間勤務、テレワーク、時差出勤など、介護と仕事を両立しやすい働き方を導入し、特定の人に業務が集中しない体制をつくります。 - ケアラー社員向けのメンタルサポート
→ 上司や同僚と日常的にコミュニケーションを深め、困りごとをシェアする機会を設けます。また社外カウンセリングやオンライン相談体制の整備をし相談しやすい職場風土を醸成します。 - 上司や同僚の理解促進
→ ケアラー支援に関する研修や情報共有会や、上司や同僚と日常的にコミュニケーションを深め、困りごとをシェアする機会を設けます。ビジネスケアラーへの配慮が組織全体のパフォーマンス維持につながることを共通理解してもらいます。 - 福利厚生の見直し
→ 介護休業制度の整備や介護相談窓口の設置・心理サポートを福利厚生として提供。利用できる制度を社内ポータルやニュースレターで定期的に案内し、誰もが知っている状態にします。
「正しい知識の共有」「相談しやすい職場風土の醸成」「柔軟な働き方や業務分担の工夫」「制度の周知」といった多面的な取り組みが重要です。これらを継続的に行うことで、ビジネスケアラーが安心して働き続けられる環境が整います。企業がビジネスケアラー支援に取り組むことで、人的資本の確保やリスクマネジメント、持続的な事業運営が期待できます。
🌱「ケアを理由に辞めさせない」企業こそ、選ばれる時代
少子高齢化が進む日本社会において、「ビジネスとケア」の両立支援は、どの企業にとっても避けては通れないテーマです。ケアとキャリアの両立支援は、優秀な人材の確保と定着、企業の持続的な成長戦略に直結します。さらに、従業員一人ひとりの人生に寄り添う企業姿勢は、働きがい・企業価値の向上にもつながります。
「ケアがあるから働けない」ではなく、「ケアがあっても働ける」そんな柔軟で優しい職場こそが、これからの“強い組織”の姿です。
私たちプラスワンライフでは、ケアラー社員が安心して働けるためのメンタルヘルス支援や社内制度導入の伴走支援を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。一歩踏み出すそのサポートを、私たちが全力で担います。
一般社団法人プラスワンライフ
ストレスチェック・職場改善支援・メンタルヘルスサポート
本社:沖縄県浦添市牧港4丁目10番1-1102
